日本ではあまり見かけない、ユニークなゴスのサブジャンル

ゴスロリもいいけどさー。 Auramorteの蟻坂(@4risaka)です。ご機嫌いかが。

ゴスというのは実はロックとかメタル並にサブジャンルが大量に存在するファッションのジャンルで、日本でよく見られる「ゴスロリ」なんてそれこそガラパゴスなサブジャンルのひとつでしかなかったりする(それも結構希少)。

それはそれで良いんだけど、せっかくだから面白いサブジャンルをいくつか紹介してみることにしたよ。

ゴスのサブジャンル

ではまずサブジャンルの傾向の印象から。

日本的な傾向

日本のゴスといえば言うまでもなくゴスロリ(ゴシックアンドロリータ)。これはもともと日本文化のロリータファッションに、海外のパンク・ロックとかその辺の要素を取り入れた「ゴス × ロリータ」という取り合わせだったりする。

提案して広めていったのはヴィジュアル系バンドMALICE MIZERのmana様なのは有名な話。ゴスファッション自体は海外発祥なんだけど、ロリータとの融合となると実は日本文化なんだよね。

で、このゴスロリの大きな特徴は結局Cawaiiに始終すること。いくらゴスが退廃的で死のイメージを持ったファッションであっても、なんでも美少女にしちゃうJapanized Beamの力を持ってすれば悪魔も死神もキュートなマスコットに大変身。というわけで、原宿なティーンズを中心にCawaiiのいち要素として長い間愛されているね。

Cawaiiとゴスは相関がない

……だけど、「ゴスロリはかわいい」だけど「ゴスはかわいい」ではないんだ。

そもそもゴスファッションというのは、わかりやすく言えばアダムスファミリーみたいなやつで、どちらかといえば可愛さ路線は全く無くて不気味で不快で攻撃的なモノだったりする。ところにより薄汚い。

そしてゴスの本質とは反体制とか永久の表現。別にCawaiiじゃなくてもコンテキストをとらえていれば大丈夫なわけ。逆にCawaiiだけだったらふーんって感じだよね。

というわけで、そんな「本質的にゴス」で、日本的なそれとは全く趣の違うゴスのサブジャンルの世界を紹介しよう。

ユニークなサブジャンル3つ

本当にいっぱいあるんだけど、個人的に特にユニークで素敵だと思う3つ。

サイバーゴス

その名の通りサイバーなゴス。近未来的、SF的。つまり古典的なヴィクトリアンゴスなどのドラキュラ的、貴族的格好とは似て非なる特徴を持つ。

  • 蛍光ピンク、蛍光グリーン、シルバー
  • 体にピッタリついた↑のようなビニール系のギラギラ+の服装
  • 電気のプラグやチューブをイメージした派手な装飾
  • ゴスメイク

ゴス関係無い別のファッションにありそうなんだけど無い、だけど「ゴス」のイメージとはちょっと違う容姿、これがサイバーゴスの面白いところ。だけど、ゴスの本質は捉えているので、例えるなら未来人のゴスって感じだろーか。

静謐と冷たさと死のイメージで表現する従来のゴスと異なり、クラブイベントでインダストリアルゴスとかダークウェーブ系のサウンドをかけて盛り上がるときに相性が良い。アクティブなゴスといえるね。

そうそう、どのへんがゴスの反体制的部分を表現しているかって、そりゃクラブイベントとあわせたときにメインストリームをことごとく外すところだよ。どこかひねくれてるんだよ。だけど普通のゴスファッションじゃ合わない。そこでサイバーゴス、なんじゃないかな。

参考画像: #cybergoth – Instagram

ヒッピーゴス

反体制なヒッピーと反体制なゴスをぶつけた中々反骨精神に溢れるファッション。それがヒッピーゴス。 あ、ヒッピーはわかるよね。ルールとか社会、文明を放棄して自由にくらすことを提唱する人々のことね。

ヒッピー【hippie】の意味 – goo国語辞書

そしてヒッピーファッションといえば、バンダナやスカーフを使ったヘアバンド、ゆったりした丈のシャツ、ジーンズ、どこか東洋っぽい柄の装飾だね。こんなかんじの。

jwskks5786 / Pixabay

これにゴスの暗黒成分を足したものがヒッピーゴス。たとえば女の子はボヘミアンスカートなんだけど黒いドレープシャツに十字架のネックレスを提げてゴスメイクとかそんな感じ。

こざっぱりしているのだけれどやたら真っ黒というあたりが普通のヒッピーファッションと比べてかなり異彩を放っているのが素敵。そして何よりもともと既成のルールに反発するヒッピー文化と混ぜるという発想が素晴らしい。

参考画像: #hippiegoth – Instagram

ヘルスゴス

死をモチーフにした傾向があるゴスにHealth(健康)とかいう単語をくっつけた、一見よくわからないゴス。これがヘルスゴス。

服装は、他のヴィクトリアンゴスとかサイバーゴス、ゴシックパンクのようなブランドの服とかスタッズのついた服みたいな特別な衣装を用意するのではなく、Nikeやadidasの真っ黒いスポーツウェアだ。

……わけがわからないでしょ。実はこれ、ストリートファッションからルーツを得ていたりする。そして、ある3人の人間が始めたネットミームのひとつだったりする。

Health Goth: When Darkness and Gym Rats Meet – The New York Times

The term “health goth” was coined in 2013 by Mike Grabarek, of Portland, Ore. He is one-half of the R & B duo Magic Fades. He and two friends — a bandmate, Jeremy Scott, and Chris Cantino, a video artist — began to play around online with the concept. They posted images on the web of athletic brand logos altered in a gothic style as well as photographs that could be described as metal-punk-meets-Pilates.

彼らの目的のひとつははワークアウトで体をシェイプアップさせること。どういうことか?これは実は、サイバーゴスのときにちょっと触れた、音楽でゴスを表現するストリート系の人への訴えが含まれている。

ふたたびNYTimesから。

His goal is to encourage good health among fans of the dark arts and electronic music. “Active participation and improving yourself is more important than wearing a uniform,” he said.

現在ヘルスゴスを啓発しているJohnny Loveさんはゴスが死によって表現できなくなるという強烈な矛盾に気づいていて、それを防ぐ、つまりゴスを表現しつづけるためには、ゴス服を着ることではなく健康を維持することだという極めて人間的な回答を説いているんだよね。

ゴスと健康は相容れないように見えるから文化的にも始めようと思う人はそう居ない。だけど、こうしてファッションアイコンによって居場所を開いてあげることで、「ゴスでありながら健康」という状態に納得する理由付けが見いだせる。

何より「死ぬために生きる」というようなデカダンスを感じて良いよね。これはゴスだと思う。

参考画像: #healthgoth – Instagram

おわりに

ヘルスゴスが気に入り始めてるのがバレる記事だったけど、こんな風にサブジャンルはたくさんあるし、みんな違ってみんなゴスなんだよね。ヴィクトリアン的なものに傾倒しすぎないのも、上手く文化を渡り歩く知恵なのかもしれない。

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