っていうはなし。
Auramorte(@Auramorte)の中の人、蟻坂だよ。ご機嫌いかが。
何が言いたい記事かというとタイトルに集約される記事ではあって、それで終わってしまうのもちょっと切ないので、Frekulの「スマートオーディション」すごいなーと思った話をしてみるよ。
スマートオーディションってなんですか
まずここから。
Frekulってなんですか
その前にサービス自体の話もしておこうね。
僕らのような音楽配信を使う人達にとって、SpotifyとかiTunesとかいろんなストアに配信の手続きを取りまくるのは非常に骨が折れる作業だし、その作業自体は何も生み出さないので不毛でひたすら面倒なだけ。
これを解決するために、その各種ストアへの配信手続き代行を行ってくれるサービスが世の中には存在するのね。そのひとつがFrekul(ふりくる)。
スマートオーディションとは
それで、Frekulの各種サービスの中でも最近出てきた「スマートオーディション」というのが特にすごい。
ひとことで言えば曲をFrekulに配信手続きお願いして、スマートオーディションにエントリーして放置すればそのうちレーベルの人から声がかかるかもというものすごい仕組み。
スマートオーディションの何がすごいの?
具体的に何がすごいと思ったのか、説明していこうね。
「いいものを創っていれば」伝説に説明をつけられる
スマートオーディションの特徴的なところは「登録したらあとは放置」というところ。これであとは巡り合わせの発生を待つだけ。
そう、巷で言われている「いいものを創っていればそのうち売れる」を論理的に説明できるようになるのである。
普通、全く目に止まらない場所でいくらライブをやろうが音源を売ろうが、繋がりが発生しないところで何やったって有名になりようがないし、当然売れるわけがない。だから、「いいものを創っていれば〜」は単なる神話とか伝説の類と見なされるものだった。
だけど、スマートオーディションは「繋がりを作る手段を委託する」という方法によって、勝手にキッカケを生み出してくれるので、可能性が明らかに増すというわけ。
この「繋がりをつくる部分をやってくれる」というのは鋭い着眼点で、極めて受動的にもかかわらずしっかりやるべきことができるというのは今までありそうで無かったんだよね。
「有名になりたいなら売り方を工夫しろよ!!」みたいな言説を持っている人は、東京都と千葉県と埼玉県に生息するゴキブリを全部集めたのと同じくらい居るかもしれないし、僕もその一人だけど、その逆の着眼点があるという一点に全部ひっくり返された感があるなぁ。
営業周りの用事を徹底的に排除できること
スマートオーディションによってメジャーレーベル向けの営業は代行してくれるとみなすと、副次的に、作り手は創作に集中すれば良いことになる。
つまり、
- WebサイトのSEO
- SNSマーケティング
- ダイレクト営業
などの営業とかPR的な行為を最小限にとどめても、論理的には「何も発信してない」ことにはならなくなる。
もちろん極端なのは依存しすぎなのでよろしくないと思うけど、「創る以外の行為が下手な人」にとって不利な状況を変える布石になると言えそうだよね。
必要の無い人も居ると思う
逆に、スマートオーディションを全く必要としないひとも居ると思う。
まずメジャーレーベルの価値というものをそもそもここまで判断していないので、そこを整理してみると、
- 事務手続きを全部やってくれる
- 企画やPRを全部プロデュースしてくれる
- 強力な資本でバックアップしてくれる
- その代わり契約によって報酬ややり方その他を縛られる
といった感じだと思う。とすると、それらを全部自分でやってしまえるインディーズアーティストにとって必要がないと言える。
具体的には、
- 事務手続きくらい苦じゃない
- マーケとPRを独学してSNSを使いこなす
- クラウドファンディングで資金調達しちゃう
みたいな血気盛んで創作以外のビジネス的行動感覚に優れている人。こういう人はむしろメジャーレーベルが足かせになってしまう可能性もあるかもしれない。あと有名になることがすべてのゴールとは限らないし。
というわけで、すごいサービスなのは間違いないけど当然向き不向きがあるから、色々考えてみるといいのかもね。
おわりに
もともとTwitterで連投しようかと思ったんだけど、もったいないから記事にしてアーカイブしてみた。スマートオーディションすごいなーいいなーってだけの、とりとめもない話でした。