作り手が同人音楽・同人誌のレビューをしたがらない理由の考察

「正直めんどくさい」を婉曲的に言ってる説。
Auramorte(@Auramorte)の中の人、蟻坂だよ。ご機嫌いかが。

同人音楽も同人誌も、作品はどんどん増加していくのに対して、それを称える話が記録されているものというのは相対的に少ない。

メジャーなロックバンドとかだったら、延々とCD買ってレビューしている人のブログというのは結構ヒットするものなのだけれど、そこんとこ同人は限られている(というかやる人が固定されている)印象。

でもね、作り手なら評価されるヨロコビを知っているんだし、確かコミケなんかだとオキャクサマは存在しないらしいから、そこんとこの互助がもっとあってもおかしくないはずなのだけれど……と考えて、じゃあ自分がレビューする気起きない理由はなんだろうというところをまずまとめてみる。

気の利いた文章が書けない

まずはよくあるやらない理由その1、いい文章書けないから。

だけどコレ、聴き手ならまだしも作り手が言うと決定的に矛盾するんだ。「いいね」という言葉ですら無い記号でも喜ぶし、Twitterの140文字以下の言葉でも喜ぶ作り手がいちいち文章の体裁気にする?しないでしょ?

そもそも気の利いた文章って?口を滑らせないこと?上から目線にならないこと?これは僕の予想だけど、結局その「入念な推敲をしたくなる」のは、脳内批判者によって自分が傷つかないのが目的なんじゃないだろうか。

あなたが憧れる誠実な作り手は、時間を割いて書いてくれた感想に対して、そんな表現の隅っこをつつくような卑屈な性格はしていないはずだよ。

なんならTwitterのアーカイブ化から始めてみようよ。ハッシュタグ付けて適当につぶやいたあと、モーメントでもTogetterでもブログ埋め込みでもいいから、あとで参照しやすい形にまとめるの。なぁにどうせ3日以内にエゴサーチで見つけに来るから別に作者に伝えることなんかしなくていーよ。これなら一方的につぶやくだけだからコミュ障だからーというのも言い訳にならないね。

労力に対してリスクが高い

でね、実は核心はこっちじゃないかと思っている。

さっき「気の利いた文章なんか要らんよ」という話をしたけど、問題はそこじゃなくて、なんらかの理由により作者の気持ちを損ねる可能性自体を回避したいんじゃないかと。

今はツナガリの時代で、SNSでフォロワーさんと惚れた腫れた(違う)するのが基本なわけだよね。で、世間は狭いのでクモの巣状に繋がるフォロイー・フォロワーのネットワークというのは結構近いところで結ばれていて、「フォロワーのフォロワーがブロックしたアイツ」なんてことはザラにある。

でね、そんなふうに物理的な距離こそなくても実はご近所づきあいが大変な昨今で、余計なこと書いて禍根を残すと後々面倒くさいというのは容易に予想がつくよね。

例えばさ、(うわっミックス下手っ……)とか思っちゃったとする。でもご近所様だから下手なこと書くと面倒だし、適当にお茶を濁して別のところを褒め称えたりする。

まぁ1回や2回ならいいんだけど、これがずっと続いたらどうだろう。ベタベタで気持ち悪くなってこないだろうか。テキトーなことを書く自分が少しずつ嫌になってこないだろうか。そんなストレス抱えてまでやりたいことだろうか。

そうじゃないにしてもやっぱり言葉を選ぶ空気はどこかしらにあるし、何しろ作り手がやる場合だと制作の時間を削ってこんなリスクとストレスを抱え込まないといけない。うわーめんどーやりたくねぇーって思っても仕方ないのかもしれない。だったら適当に「いいね」とかしてるほうが気楽だよね。

そこんとこ、純粋な聴き手は完全に第三者目線での評価が可能なので、フットワークが軽くなれるのかも。

興味のないもんは興味がない

ひどいけど本音としてこれもあるでしょ。ねえねえ。

単純に、同人の人というのは作る側に周りたい欲からその畑に来ているわけで、受け手としての自分に敢えて強くフォーカスする用事っていうのは、作る用事と比べると少ないはずなんだよね。

もちろんブースが隣になったサークルさんとのコミュニケーションとか、打ち上げとか、新たな仲間とか、そういう特有のツナガリとか連帯感みたいなのは愉しみとしてあると思うけど、じゃあ相手に積極的に感想を送ることが主にやりたいことかって言ったら正直なところ違うんじゃないかな。だから優先度も下がるし、やらないならやらないでいいやってなるよね。

これに加えて、玉石混交で作品が膨大な同人畑から作品の選定をするとそれだけでも一苦労。ああやっぱり興味のないものにリソース割くなら作ってたいわぁ〜ってなったりしないだろうか。

おわりに

「同好の士とつながる」つもりなら多分求めてはいけない。たくさん欲しいなら受け手に広める工夫はしないといけない。これだけは事実かなぁ。

なんにせよ感想を送りまくれば作り手は掌の上で踊るネ!(結論がおかしい)。

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