結局「自分の利益になるから」。
Auramorte(@Auramorte)の中の人、蟻坂だよ。ご機嫌いかが。

レビューしない理由を前回の記事で考えてみたんだけど、それでも積極的に作品を味見して「おいしい!」と言い続ける人は居るよね。

では、やらないひととやるひとの違いは一体なんだろう?何がそんなに彼らを突き動かすのだろう?というところが気になると思うので、かるーく観察した結果を書いてみることにするよ。

本題: なぜレビューするの?

一言で言えば自分が気持ちいいから。プラスそういう空気だから。なんだってそうだね。ドーパミンとセロトニンとノルアドレナリンの虜なんだね(?)。

どんなに嬉しいことか知っているから

まずはよく言われるほっこりするタイプの動機づけから。ところでほっこりってどういうオノマトペなんだろう。まあいいや。

「レビューされる人」にフォーカスしてみよう。レビューで適切に評価されたら、あなたはどう思う?

  • 喜ぶ
    • 感想の投稿をSNSでシェアする(承認欲求)
    • 評価に報いたくなる(返報性の原理)
    • 次も頑張ろうと思う(動機づけ)

     

これに限るよね。辛辣なことを言われたらこの限りじゃないのかもしれないけれど、人によっては何だコノヤロウって感じで謎のモチベーションが湧き上がってきたりもする。的確な批判だったら、「まさにその通り!よく作品を理解しようと努めた証拠!感服!」ってなるよね(伝われ)。

で、そんな風に「相手の反応するのが見たいから」という動機でレビューする。
皆嬉しいのはいいことだ、という実にポジティブな動機。

よく何の報酬もないのに世話を焼いてくれる人がいるし、普通の家庭の親は子を無条件に愛するものらしいし、ペットを飼ったら何ももたらさなくたって全力で可愛がるでしょ。

こんな風に「居るだけで肯定したくなる」っていう母性とか父性のような心理は、人として多かれ少なかれあると思う。社会性動物ならではの特性だね(冷淡)。

レビューすることにより承認欲求を満足できるから

つぎに「レビューする人」自身にフォーカスした場合。

実はレビューをすることによってレビュイー自身の欲が満たされるんだ。というのはね、受け手がSNSでシェアしてくれたり、あるいはWeb上に投稿すると、大なり小なり以下のような結果に出てくるんだよね。

  • SNSで拡散される
  • ページビューが伸びる
  • 名を知られる

つまり数字などのリアクションだね。このリアクションによって、「自分が作ったコンテンツによって人の心を少し動かした」という事実が得られる。少しだけ自己肯定感をゲットできるのね。

本質的には、創作をやり遂げた時と同じような満足感・達成感が得られる。たくさん影響を与えれば与えるほど、それだけ自分の役割も盤石なものになっていく。

だから、他人に世話を焼くことによって、他人に必要とされる=帰属欲求・承認欲求を満足するということができるんだ。これは別にレビューに限った話じゃなくて、起業家の人がめちゃくちゃ働きまくって社会に貢献する理由とか、本気で社会を変えようとする活動家の人なんかの「どこからやってくるのか全くわからない情熱」につながってくると思うんだよね。

「社会に所属しているという満足感」。これも人間の社会性動物っぽい特性だね(再び冷淡)。

みんなやってるから

最後に超受動的、かつ実績があまり見当たらない「みんなやってるから」。

「同調圧力」とか「集合性無知」という心理効果に代表されるように、人というのは集まると個というより集団としてひとつの考えを持つようになりがち。逆に言えば空気さえ作っちゃえば後は兎の登り坂

これをマスマーケティングに応用したのが戦略PRの理論だったり、広告代理店がファッションを毎年出して「流行り」を創り上げる戦略だったり、該当で流しまくって誰でもサビのワンフレーズを覚えちゃうようなポップスのパワープッシュだったりする。

実は「作り手による作品レビュー」という観点だと、空気なんて全く出来上がってないのが実際。だけど、その他の事柄で色んな研究がなされているように、「影響力」と「集団心理(が生み出す疎外感)」というものは無視できない要素なんだよね。

だからもし互助的な活動を支援して同人シーンを盛り上げたい!とか思うんだったら、この社会性動物っぽい特性をこっそり活用するのがいいかもしれない(冷淡)。

おわりに

「そんなに難しいこと意識してねーよ!」って思うかもしれないけれど、「やりたいからやる」を細かくするとこんなふうに言えるんじゃないかなぁ、みたいな話。結局何らかの形でそれぞれの欲求を満足するってことじゃないかしら。

前回の記事と合わせると二枚舌に見えるけれど、あくまで人間観察の一環だからネ。欲望の生き物、おもしろい!


参考資料:
『影響力の武器』が王道かもしれないけど、この本が読みやすいのでおすすめ。

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