図らずもうちがそんな感じなので、事例も交えつつ。
音楽プロジェクトAuramorte(@Auramorte)、主催の蟻坂だよ。ご機嫌いかが。
音楽をやるバンドもサークルもユニットもプロジェクトも(呼称がバラバラで面倒だね)、やっぱり「自分はどんな感じの姿形で行きたいか」みたいな妄想はあると思う。
それが例えばアー写とか、公式サイトとか、SNS上の発言に反映されるのかな~って思ったりする。
で、これを踏まえて、人間っぽさが薄いというアイデンティティを個人的に薦めたい。たのしいよ。
人間っぽくない姿形
具体的にどういうことか、別に僕の話をしてもいいんだけど、せっかくなので偉大な先人たちのパターンを紹介してみる。知ってる人は今更過ぎる話かもしれないけれど。
パターン1: お面をかぶる
まずお面/仮面で顔を隠すというパターン。これはハーフマスクでもいいしフルフェイスでもいいし、頭を全部覆い隠すのでもいい。
効果としては表情と顔が読み取れないので、よくあるルッキズムからくる偏見を回避することができる点。そして、着ぐるみというわけではないので、首から下を使って自己主張できる点。
有名所だと、
日本のバンドであるという主張を能面によって表現した、FACT。
エモ/ロキノン系の中で特に異彩を放つオオカミヘッドで1回見たら忘れられない、MAN WITH A MISSION。
かわいいアイドルなのに顔を隠す、仮面女子。
いずれも界隈のステレオタイプから外れるってところがミソな気がする。お面を着けただけで似たり寄ったりにならないところもポイントなのかな。
いずれにせよ準備が簡単な割に見た目のインパクトが凄いよね。普通の人間の姿に飽きたらまずはここから(?)。
パターン2: 姿が見えない
「お面をかぶる」パターンのもっとドラスティックに攻めた形がこれ。アーティスト自体の姿が不明。
ここまでくると実在してるのかどうかすら怪しくなってくるので、より神秘に、より秘密になる。ファンとしては正体を漁りたくなるよね。普通に活動するよりもよくわからない噂が立ちやすいとも言えるけど。
これくらいやるとイメージイラストとSNSとかブログ上の発言が人格になるので、「中の人」とは全く違うキャラクターづくりができるようになっちゃったりする。もはやロールプレイングゲーム。
故に、尻尾を出してしまうとそこからのイメージの崩壊が激しくて、淡々と演じる能力が試されると思う。けれど、アイデンティティの自由度の作り方は「お面」より広いね。
こちらについてはアニソンユニットClariS。二次元のイラスト以外姿形が一切不明なのはかなり特異。
ちょっと難易度が高いかな?でも面白そう。
いくらなんでも難しいなと思う人は、次のパターンはどうだろう。
パターン3: 実在しない
なんじゃそりゃって思ったでしょ。うん、世の中には「アーティスト自体実在しない」というものがあるんだ。
つまりね、プロデューサーみたいな企画する人と、音源を提供する人みたいなスタッフはそれぞれ存在していて、音楽は出来上がるんだけど、それを披露するアーティストが実在しないというパターン。
ピンと来ない?じゃあ実例を上げてみよう。
まず日本だとEGOISTがあるね。Supercellのryoさん主催のプロジェクト、ボーカルは居るけれど、「EGOIST」というアーティストの人格は架空。面白いよね。
あと外せないのはGorillaz。バンドなんだけど全員2次元。
よく考えたら、Gorillazのパターンって日本のアニメでよくあるよね。『涼宮ハルヒの憂鬱』のENOZとか、『けいおん!』の放課後ティータイムとか。後者とかある曲のドラムがAddictive Drumsだし。
「カートゥーンバンド」とか言ったりするけれど、こんな風に存在自体を創作してしまうというのは中々面白いよね。このパターンだと最強のボーカリスト「初音ミク」も外せないね。
おわりに
てな感じで、実はアーティストを構築する際にその実在性の担保はあんまり重要でないのが、実際活躍する人達の実績によって明らかにできるんじゃないかと思う。
ちなみにAuramorteは主催がスマイルマスク、サポートボーカルが狐面で図らずも「お面」パターンなんだけど、別に狙ってやったんじゃなくて結果的にこうなったので後付でアイデンティティ化したという経緯が(おい)。