別にそのまんまでもいいんだけど、より強く和風を押し出すためのゴス考察。
Auramorteの蟻坂(@4risaka)です。ご機嫌いかが。
Cutie Frashなどに代表される「オリエンタルなゴス」。このうちのサブジャンルに「和ゴス」というものがある。
軽くGoogleで検索してみたらわかるのだけれど、服装的には「ゴシック&ロリータ」の服に「着物」のモチーフを混ぜたような意匠が特徴みたい。
……なんだけどね。なんだか漠然とした違和感を感じたので、いろいろ考えたことを書いてみるよ。
そもそも「ゴスロリ」が日本文化
まずロリータファッション自体日本文化なので「和ゴス」というのは「和風のおしるこ」みたいな表現になっちゃうんじゃないだろうか、と。
ゴスファッション自体は海外の文化。だけど、ロリータファッションは日本の文化。2つが融合した亜流がゴシックアンドロリータ。
ということは、ヴィクトリアンとかロココ調の衣服に影響を受けていても、そもそもゴスロリ自体純和風といえる。それでも敢えて「和ゴス」というカテゴライズをしたがるのはどうしてだろう?
和服が好き?
決定的に違うのはやはり着物モチーフであること。しかし、実態として帯(のようなモチーフ)とか襦袢(のようなモチーフ)がほとんどで、別に下駄も履かないみたいだし、髪型だって普通に前髪ぱっつんなよくあるもので、銀杏返しとか丸髷のモチーフが出て来るわけではなさそう。
つまるところかっこよさそうなものを適当にミックスするという結果がたまたま着物モチーフになったというだけで、別に「和ゴス」として改まって和モチーフを象徴する意図はないのかもしれない。
例えるならピザに色んなトッピングしたりフチにチーズを入れたりして、元のイタリアのそれとは似ても似つかぬモノにする、日本人の「あの特性」のひとつなんじゃないかと。そう思った。
……えーと、ゴスというのは、反体制・孤高の美学および生き様を写すものだと僕は考えているんだけど、いいの、そんな取って付けたようなテーマで。
音楽としての「和ゴス」はどうすればよい?
さて、僕がそもそもこんなことを考えていたのは「音楽として和ゴスはどうすればいいか」というふうなことを考えているから。だからファッションの話はこれくらいにしておく(なんか中途半端だけど)。
でね、そんな風に「なんとなく付け加える」だとアート的にも生き様的にも意味を持ちにくくて、僕はちょっとそれは避けたいなーって思うので、ファッションの例を反面教師的に捉えつつ、音楽表現として「和ゴス」を以下のように考えてみる。
- 和楽器を使えばいいというものではない
- 日本音階を使えばいいというものではない
- ヴィジュアルを和風にすればいいというものでもない
もちろんテーマ性の演出に見た目や雰囲気は大切だから、「意味を説明できるならば」上記を使うことは問題ないとおもう。だけど、安直に使ってしまうときっと誰にも伝わらない。だから「和」と聞いて思いつく単純なモチーフには慎重にならないといけないと思った。
一方で、「もともとロリータファッションは日本文化」という話から連想すると、「すでにあるものの価値を再提案する」ようなアプローチが良いように思えてくる。
ロリータファッションは日本文化として凄く良いものなのだから、それを存分に引き出して上げれば良い。じゃあ音楽だとなんだろう?
……歌謡曲みたいな美しいメロディじゃないかな、と、今はそう思う。
おわりに
まあ、でも、かっこいいよね、和装。うん。わかる。