「ゴス系の人が」とかいって大きくしてるけど僕が好みなだけ。 Auramorte(@Auramorte)の中の人、蟻坂だよ。ご機嫌いかが。
ゴスと聴いてイメージするのはやっぱりファッションだったり、音楽だとチェンバロとかヴァイオリンとかそんなのだけど、じゃあイラストはどうだろう。
……などと思ったので、自分の場合を考えてみたよ。風景とか人物とか色んなモチーフがあるけど、今回はわかりやすく2次元のキャラクターのイラストから。
萌え絵はとりあえず違う
ゴスとアニメ絵は少し世界が近くて、キャラクターデザインとか、世界観にも「ゴスロリです!」みたいなのは結構見かけるんだけど、個人的には例外なくちがうなぁといった感じ。
「萌え絵の流儀」に沿うから
深夜アニメ的な絵柄だと事実上ポルノ枠なわけだけど、ラノベにもありがちなパターンとして、ゴス衣装な女性であっても記号化されるのが常だよね。
- 髪の色
- 胸の大きさ
- 性格のパターン(素直、ツンデレ、などなど)
これってつまり視聴者のおにいさま達に好まれる記号ってことだよね。だから、設定上ゴスロリの娘もそこんとこ例外じゃなくなるよね。腕も太腿も露出してるでしょ。でもって声が可愛くて幼い子供でしょ。目を背けたくなるような醜い性格もしてないでしょ。だってそうじゃないと困るもん。
性的なアイコンとして作用するから
- 彩度が高い
- よく喋りそう
- 健康的
- 肌の露出
といったファンダメンタルなゴスとは似て非なる属性がそこらじゅうに散りばめられていて、本質的な死臭みたいなのは感じられないんだよね。おいおい生きるの楽しそうだな貴様はみたいな。
だけどもちろんこれはコンテンツとして正しい。だって客層がそんなの求めてないんだから。というわけで僕の考えとミスマッチするのは当然だね。結局女性性としての魅力を出さないいけないわけだね。
それっぽけりゃいいってもんじゃない
かといって、じゃあ正反対にいかにもな感じならいいのかというと、それも表面的。
傷のモチーフは別になくてもよい
ありがちなのが「傷に関する意匠を加える」こと。
- 傷跡
- 包帯
- 眼帯
ただの邪気眼じゃねーかって思ったりしない?これはこれで意匠としていいんだけど、理由がなかったらただの怪我人だね。
救急車を呼んだほうがたぶん良いし、その縫い目の痕はさっさと抜糸しないと悪い影響がある。眼帯をつけていると奥行きがわかりにくくなるので、階段で転びかねない点は特に気を払わないといけないね。
ありがちな記号はナンセンス
かといって他の意匠だったらいいのかっていったら、使い古されたモチーフはすぐに見抜かれるよね。
- 赤い目
- オッドアイ
- 黒い羽
- 十字架
- 牙
- etc.
たしかに中世ヨーロッパ的世界観を大事にするゴスとしては大いに使いたいモチーフだと思う。だけどね、どうせニンニクぶつけても死なないのに吸血鬼っぽい佇まいをされても中途半端だよね。血も吸う気ないんでしょ?無理しないで好きなもの食べてInstagramにでも上げておきなよ。ガーリックソースのかかったステーキとかどう?
赤い目だってそう。なぜ赤いのか説明がつかない以上、それこそさっきのラノベ的モチーフの「記号的にピンク色の髪」と一体何が違うのかっていう話になっちゃう。こだわってるつもりだろうけど、ただなんとなく赤目になってるだけだったらその辺に掃いて捨てるほどある無個性な美少女イラストと一緒なんだってば。
そして「Why?」に落ち着く
というわけで、いろんな記事に書いたけど、ゴスを感じる意匠なり雰囲気の表現として、受け手から見た時即座に「Why?」を感じられるかどうかが焦点になる。そこさえ満たしていれば、実は上記のような記号的なものでも問題はなかったりする。
だけどね、自分のゴス哲学とかゴス思想を体現するのに、既存のモチーフである十字架とか赤い目を使うのって難しいよ〜。むしろ普通の人間に潜む影の部分をクローズアップするほうが、「あ、これはゴスだ!」とひと目見てわかってもらえるような気迫を感じたりする。
具体的にはなんだろうね?トーキング・ヘッズ叢書とか、そのあたりのムック、画集を漁るのが良いかもしれない。耽美と退廃は執念から生まれる。薄っぺらい憧れやアイデアの拝借から生まれはしない。
おわりに
というなんかイラストの話してんだかなんだかわかんない記事になったんだけど、そんな感じでまとめよう。
ゴシック的な意匠を使っていて、かつそのイラストのどの部分に質問されても即座に応えられるだけの哲学を持った表現をしているものが僕の好きなゴスっぽいイラストということになるね。
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