関係者なので提灯記事もいいところである。
Auramorte(@Auramorte)の中の人、蟻坂だよ。ご機嫌いかが。

M3秋に出展するある作品……という趣旨はよく知らない人から見たらどうでもいいと思うのでさっさと本題に入るよ。「同人音楽」というインディーズ音楽のあるカテゴリにおける内容がぎゅっと凝縮された雑誌のハナシ。

R3 Magazine とは?

『R3 Magazine』とは

  • Recommend
  • Review
  • Reaction

を頭文字にして「3つのR」をテーマに同人音楽を啓蒙するというアマチュア音楽雑誌のこと(公式ページより)。

つまるところ、『ヤングギター』が若手ギタリストのための雑誌であるように、『Gothic&Lolita Bible』がゴスロリのための雑誌であるように、この本は同人音楽マニアのための雑誌。であると同時に、同人音楽って何だ状態の音楽好きのための雑誌だよ。

何が何だかわからんと思うので、具体的にコンテンツの内容を紹介してみよう。

R3 Magazineの内容

雑誌なので特集に分かれているのだけれど、既刊から今までの流れとしては以下の様な構成が多いかな。

  • 音楽コラム
  • 音楽レビュー
  • 音楽

最後どういうこっちゃって感じだけど、順を追って説明していこう。

音楽コラム

音楽、とりわけ同人音楽に関したコラム。作り手が書いている関係もあって、作り手目線の話が多いかも。

【既刊にあった例】

  • ライナーノーツから読み解く音楽
  • 同人とオーケストラ
  • 感想の経済学

なんかタイトルが既に小難しいとか思ってるでしょ。それだけにそれなりのバックグラウンドを持つと思われる方が筆を執っていて、2,000字クラスの結構真面目なコラムが書いてあるよ。

アマチュアと侮るなかれ、場合によっては考え方を動かされるかも。

ちなみに初版のVol.1についてはコラムの試し読みができる。立ち読み感覚でまず読んでみてもいいと思う。

R3Magazine vol.1 | R3Magazine

音楽レビュー

そして音楽雑誌と言えば外せないのは音楽レビュー。これも多数のレビュアーに協力してもらう形をとって、たくさんの作品のレビューがされている。

何がいいって同人音楽のレビュー特化ってところ。同人音楽のレビューってどういうわけかほっとんどネットで見かけないか、あるいは特定の人に偏りまくってるんだよね。

それを、企画化して依頼することによって、周辺作品をもっともっと広げようとする企画主の方の情熱が伝わってくる。まさに「Recommend」の名を恣にしているよね。

ちなみにレビュー対象の作品は、これも面白いことに直近の即売会で頒布されることになっている作品。つまり未発表。そしてR3 Magazine自体もその即売会で頒布されるようになっている。

だから、ちょうど観光地のパンフレットじゃないけど「なんだかよくわからないときの道標として機能する」というところが面白いよね。最近は通販をやっている同人サークルも珍しくないし、参加者が増えまくって情報洪水でどこから何を見ていけばわからん、という場合のガイドブックとして持っておきたいところ。

音楽

さて、じゃあ音楽ってなんだよそのものって、という話だけど、文字通り音楽

うん、ブロードバンド時代の今だから為せる技なんだけど、雑誌自体にQRコードが付いていて音源のダウンロードリンクが取得できるんだよね。

収録されている音源もやっぱり同人音楽。しかもこの企画のためだけに作られた粒ぞろいの楽曲が揃っているよ。いわゆるコンピレーションなんだけど、ただのコンピレーションアルバムと違って大量のレビューとコラムとかわいい表紙がついている。付加価値大だね。

テーマは毎度色々あって、2017年秋時点の最新刊である「Vol.4」では、「妖怪コンピレーション」というテーマで、参加者が思い思いの楽曲を寄せているよ。

クロスフェードが聴けるので、これだけでもピンときたら手にとってみる価値はある。

R3 Magazineの歴史

そんなこんなで、レビューやコラムに音源、ときによっては4コマ漫画とかも飛び出す、10人以上が参加してる大規模音楽企画のR3 Magazineだけど、コンスタントに出版していて2017年秋時点でVol.4が出ようというところ。

ボリュームの歴史

Vol.1、すべてはここから始まった。

R3Magazine vol.1 | R3Magazine

かわいいイラストとコンパクトにまとまったレビューとなんか社会派なコラムもここからはじまった。 この時点では19ページ。

Vol.2。少しコンテンツが増えたよ。

R3Magazine vol.2 | R3Magazine

即売会の旬の新譜をいきなりレビューしちゃうのはここからだったかな。付録BGMに4コマと、メディアミックス的な試行錯誤がたくさんあって面白くなってきたころ。

Vol.3。この辺からページ数がすごいことになりはじめる

R3Magazine vol.3 | R3Magazine

Vol.2と比較すると新作レビューの数が段違いに多い。またコラムの数が多くなったり、レビュアーも増えたり、協力者の数が整ってきてどんどん洗練されていってるのがよくわかるよ。

— そしてVol.4、最新刊!76ページの超大作!アマチュア企画の「やりたい放題」の本気だね。

R3Magazine vol.4 #M3秋 | R3Magazine

Vol.4の新しいところは長編の対談企画があるところ。レビューの数はやっぱりたくさん、コラムもたくさん。広告だらけのどっかの音楽雑誌と違って1ページ1ページに中身が詰まっているよ。

欲しくなったかな? よくわからないなら一番洗練されている最新刊のVol.4を買っておくといいよ。見ての通り実はKindle版があるし。

Web版

オンラインでブログサイトを活用してレビューを投稿する企画もあるよ。

R3Magazine | アマチュア音楽レビュー企画『R3Magazine』のWebサイト

こっちは随時寄稿者募集中なので、面白そうだから共犯者になりてえとか思った人はコンタクトをとってみるといいかも。

おわりに

Kindle版が存在するので気になったらさっさと買っちゃうのがいい。Kindle Unlimitedにも対応してるし。紙媒体は即売会で購入するのが、さっきの「道標」的な使い方も相まってよろしいと思う。

M3 2017秋はM-19aで頒布してるよ。よかったら寄ってみるといいよ。

ついでに言っとくと、妖怪コンピにはAuramorteがこれだけのために何ヶ月か構想して書き下ろした楽曲が収録されているよ。他じゃ聴けない和ゴスエクストリームメタル。

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