底を知らぬ欲の皮を纏う、それは喩えるなら亡者の群れ
腹を満たす為にひとつ喰らい、更に喰らう為にひとつ棄てる。
何処からか訪れ、欲の傀儡となり
愛に飢えた姿は正に「欲望喰らい」
自らの形など疾うに見つけられずに、砂と消えて残るは――
穢れたその怪物か。
それは
「タブラ・ラサ」
訪れない春を待ち
凍てついた
その
心臓
灰色の瞳を開き
手を招いて来れども、
彼らにくれる餌などは
火に焚べてしまえば良い。
呻く聲の影に伏せる仔等は、
与えられぬ者の成れの果てか。
欲望喰らい共の眼が語りて、
人間は皆、その
蛹と識る。
朽ち果てた箱庭で己が正義を謳い、愛に飢えた姿を誰が嗤えるだろう?
自らの形さえ保つことができずに、砂と消えるその手をどうして見放した?
それは
向こう側
闇に溶けて
形を成す
醜い
その
怪物に
影重ね、
眼を開き、
手を合わせるのならば、
黒い影の箱庭は
白昼夢と共に消える。
朽ち果てた箱庭で己が正義を謳い、愛に飢えた姿を誰が嗤えるだろう?
自らの形さえ保つことができずに、砂と消えるその手をどうして見放した?
――問い質せ。
それは
「タブラ・ラサ」
訪れない春を待ち
凍てついた
その
心臓
灰色の瞳を開き
手を招いて来るなら、
今一度その者を問い直し
その手を、取ろう。